子の氏の変更許可の代用としての氏の変更許可申立

親子の画像

先日、を公開しました。

この手続は、子供が親の戸籍に入ることが、ポイントなのですが、子供が親の戸籍に入りたくない/入れないけれども、名字は親と同じにしたいといった場合もあります。この場合は子の氏の変更許可の手続き(民法791条、戸籍法98条)の手続ではなく、戸籍法107条1項の氏の変更許可の手続きをすることになります。

親と同じ名字に変える場合の「やむを得ない事由」

さて、戸籍法107条1項の氏の変更許可の場合、「やむを得ない事由」が必要になります。それでは、親と名字が違うので親と同じ名字を名乗りたい、と言う理由が、やむを得ない事由に該当するのでしょうか。

この点を明確にしている審判例は公開されていないようで詳細はわかりません。

ただ、でもご説明したとおり、父親と母親が婚姻していない場合は、父親側の事情次第では、子の氏の変更は許可されないようです。

この場合は、その婚外子だけ又はその母子がそろって、父親の氏に変更するための戸籍法107条1項の申立をすることになります。

子供だけがもとの名字を使いたいケース

すこし似たような事例で、許可されたケースをご紹介したいと思います。

例:田中夫妻とその子供A太郎。

田中夫妻には子供・田中A太郎がいました。A太郎が成人した後に、田中夫妻は名字を佐藤に変更することにして、田中夫妻は佐藤夫妻、A太郎は佐藤A太郎になりました。

しばらくの間、A太郎は佐藤A太郎と名乗りましたが、それまでの交流関係で不便に感じたので、田中A太郎に戻りたいと考えました。

A太郎の手続

この場合、A太郎だけを田中に戻すには、一度A太郎が佐藤夫妻の戸籍から出る必要があるので、まずA太郎は分籍の手続をして佐藤夫妻とは別のA太郎だけの戸籍を作ります。その後、田中A太郎の戸籍の氏の変更を求めて家庭裁判所の手続をすれば、田中A太郎に戻すことができます。

なお、田中A太郎が、やはり佐藤を名乗りたいと考えても、子の氏の変更許可の手続き(民法791条、戸籍法98条)をすることはできず、戸籍法107条1項の氏の変更許可の手続きをすることになりますが、やむを得ない事由は通常どおり厳しく判断されると考えられます。